自然のエネルギーを体いっぱいに受け取る、
島がまるごとパワースポット
宮古島にはいくつもの御嶽(うたき)があって、古くから大切にされてきた神秘的なガー(井戸)もある。でもそれだけじゃなくて、この島を巡ると、海と空の青が、緑のやさしい空気が、私たちをそっと、癒してくれる。
神々によってつくられた島。
宮古の伝説をまとめた『御嶽由来記』にこんなことが書いてある。遠い昔、天帝(あめのてだ)が天岩戸柱の端を折り、弥久美神(やぐみのかみ)に授けて「下界の風よからんところに島を造りなせ」と命じた。そして天の夜虹橋(あめのゆのづはず)から下界の大海原に岩柱を投げさせ、固まったのが今の宮古島となった、と。
宮古群島には、約900近い御嶽が存在しているといわれる。平良港にほど近い撥水御嶽もそのひとつ、宮古島創世の神話の舞台となったとされる御嶽だ。時代は大きく変遷しても、宮古の人びとには自然を敬い、神を敬う心がいまもなお息づいている。
水を大切にしてきた島の、神秘的なガー。
雨が地下水となり、湧き水となって湧き出す場所がある。それが住民たちの貴重な生活用水として利用されてきたガーと呼ばれる井戸。豊かな水量を誇った大和井(ヤマトガー)や最も規模が大きい盛加井(むいかがー)。来間井(くりまがー)は来間島の人びとの唯一の水源として暮らしを支えてきた。どこも、人びとが長い時間大切に扱ってきた思いと、自然とによって厳かな空気をまとっている。
荘厳でダイナミックな島の風景。
自然を敬う宮古の人びとが暮らす島だからこそ、島全体から体を満たすようなエネルギーを感じることができるのではないだろうか。そして、畏敬の念すらおぼえる、荘厳な風景。吉野海岸は、大規模な礁湖(イノー)があり、熱帯魚の種類と数では宮古島で一番と言われている。一望にした風景は、まさに地球の地肌とも言うべき景観。七又海岸を車を走らせれば、高さ約30mにおよぶ隆起珊瑚礁の断層海岸が出迎えてくれる。それは吸い込まれてしまいそうなほどの、圧倒的なうつくしさ。
そして、心が満たされてゆく。
大きな草原を見つけて、私たちは思わず走り出す。遠くに見えるのはそのほとんどの地域が聖域とされている大神島だ。夕暮れに向かうにつれ、鮮やかな青は少しずつ濃度を増し、空と海のうつくしいグラデーションが島影を包みこんでいく。
ここにいるだけで、この景色を見ているだけで心が安らぐのを感じる。宮古の人びとが自然とともに大切に暮らしをつないできた長い歴史が、この島を、人を癒すやさしい力に満ちた場所にしているのかもしれない。この島の景色に出会うたび、私たちはおだやかに、心が満たされていく。
※御嶽やガーなどは、島の人びとにとってとても大切な場所です。
なかには神事を司る人や、行事の際にしか入ることのできない場所もあります。
ルールを守り、地元の人の暮らしを損なわないよう注意してください。
このテーマの主な撮影地
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撥水御嶽
- 住 所:
- 沖縄県宮古島市平良西里8
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帯岩
- 住 所:
- 沖縄県宮古島市伊良部佐和田1742
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大和井
- 住 所:
- 沖縄県宮古島市平良字西仲宗根土川・不佐手
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盛加井
- 住 所:
- 沖縄県宮古島市平良字東仲宗根222
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来間井
- 住 所:
- 沖縄県宮古島市下地来間地区
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七又
- 住 所:
- 沖縄県宮古島市城辺地区
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吉野海岸
- 住 所:
- 沖縄県宮古島市城辺保良地区
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大神島
- 住 所:
- 沖縄県宮古島市平良大神地区